これは、僕が使っているケノンの説明書。
はっきりと「無意味」「脱毛できません」と書いてあります。
体毛には毛周期というサイクルがあり、成長している毛は全体の1/3程度で、残りは退行、もしくは休止している状態です。
レーザーやフラッシュは黒い色に反応する為、休止している箇所に照射しても無意味です。
つまり、休止している箇所は、体毛が成長期に入らなければ、いくら照射しても脱毛はできません。
ケノン取扱説明書 P25 Q&A
このぐらい毛周期は影響が大きいです。
毛周期とは?
毛周期とは、毛の一生のこと。
毛が生まれて寿命を迎えるまでの周期のことで、「成長期→後退期→休止期」の一連のサイクルを毛周期と言います。
なぜ毛は再生するのか?
脱毛のメカニズム
毛穴にある「バルジ領域」が、同じく毛穴の「毛母細胞」の活動を促進させ、毛が作られます。
脱毛の仕組、原理はいたってシンプルで、
- 毛を作る組織(毛母細胞)
- 毛を作らせる組織(バルジ領域)
の、どちらかが死滅すれば脱毛完了で、その方法は主に以下の3つがあります。
- キセノンフラッシュ(光)による破壊
- レーザー(光)による破壊
- ニードル(電気針)による破壊
光脱毛 | レーザー脱毛 | ニードル脱毛 | |
---|---|---|---|
医療脱毛 | × | 〇 | 〇 |
サロン脱毛 | 〇 | × | × |
脱毛器 | 〇 | 〇 | × |
仕組 | 光で毛根を破壊 | レーザーで毛根を破壊 | 電気針で毛根を破壊 |
痛み | 弱い | 痛い | かなり痛い |
全身脱毛 | 10,000円~ | 50,000円~ | 数十万円~ |
永久脱毛 | △ | 〇 | ◎ |
なぜ光で脱毛できるのか?
毛(メラニン色素の黒)が光を吸収するからです。
下図の毛母細胞と、毛の位置関係を見てください。
毛母細胞と毛根にある毛乳頭は、くっついていて、毛(メラニン色素)が導線の役割をし、光エネルギー(熱)を毛母細胞に届け破壊する。
これが、脱毛の仕組です。
成長期を逃すとどうなるのか?
成長期を逃すと脱毛できない理由は、毛と毛母細胞が離れてしまうからです↓↓
これでは、どれだけ光を照射しても脱毛はできません。
これが、毛周期のサイクルが大事と言われる所以です。
毛乳頭とは?
毛乳頭は毛の根元の丸いところ(上図)。
成長期の毛母細胞は毛乳頭の周囲にあります。
光エネルギーの最終到達点が毛乳頭です。
毛周期に影響されない脱毛方式
蓄熱方式脱毛は、毛周期に影響されないと宣伝するサロンやクリニックがあります。
- SHR方式(蓄熱式)/THR方式(蓄熱式)
サロン脱毛、家庭用脱毛器にあります - レーザー脱毛の蓄熱式
レーザー脱毛の一種です
これらは、バルジ領域を破壊して脱毛するやり方です。
バルジ領域とは?
比較的最近(2000年頃)見つかった組織で、毛母細胞に栄養を送り、毛の成長を促す幹細胞の一種。
毛周期が関係ない2つの理由
- バルジ領域の位置
毛(メラニン色素の黒)に頼らない - 低出力で肌に優しい
じっくり熱を貯めて破壊するので肌への負担が少ない
なので、毛周期を無視して、かつ短い間隔(2週間に1回)で施術ができるというものです。
が、
結局、蓄熱式も用いるのは光です。
メラニンの反応を利用する点は同じです。
なのでやはり、毛周期に影響を受けます。
出力が低いのでパワーが弱いので回数が多くなることがあります。
注意して検討しましょう。
成長期(毛周期)の見分け方
いつ照射(脱毛)すればいいのか?
結論を先に言うと、
「分からない」「数打ちゃ当たる」
が正解です(^^;)
各部位の毛周期
毛周期 |
\脱毛期間/
成長期 |
休止期 | ||
---|---|---|---|---|
頭髪(うなじ含む) | 6年4ヶ月 | 2~6年 | 3~4ヶ月 | 無性毛 |
VIO(陰毛)ライン | 3年半 | 1~2年 | 1~1年半 | 両性毛 |
足 | 1年 | 4ヶ月 | 6ヶ月 | 無性毛 |
腕 | 9ヶ月 | 3~4ヶ月 | 4~5ヶ月 | 無性毛 |
顔・口周りのヒゲ | 1年3ヶ月 | 4ヶ月~1年 | 2~3ヶ月 | 男性毛 |
ワキ | 7ヶ月 | 4ヶ月 | 3ヶ月 | 両性毛 |
まゆ毛 | 1ヶ月半 | 30~45日 | 20~1ヶ月 | 無性毛 |
出典:広尾プライム皮膚科の情報をベースに実体験を踏まえ作成
- まゆ毛の毛周期:1ヶ月半
⇒成長期頻度多い - VIOの毛周期:3年半
⇒成長期頻度が少ない
毛には、成長してから生えてくる毛(性毛)と初めから生えている毛(無性毛)があり、無性毛の方が脱毛しやすいと言われています。
さらに、毛周期は毛穴一つひとつ違います
なので、成長期を見極めるのは不可能です。
部位(例えばワキ)だけ見ても、一本一本違います。
成長期に脱毛する方法
毛周期が短い毛に合わせた間隔で照射する
成長期の毛は体毛全体のうち15%~20% しかりません(頭髪除く割合)。
残りの8割はムダ打ちです(^^;)
計算上、
5回の全身照射で全ての成長期の毛に照射(20%×5回=100%)できたことになります。
医療脱毛に5回のプランが多いのはこれが根拠になっているようです。
なので、
毛周期が短い毛に合わせて打ちまくる
(肌のダメージを見ながら)
しかないと言えます(^^;)
インターバル(照射間隔)はどれぐらい空ければいい?
これは、2つに分かれます。
- レーザー脱毛、ニードル脱毛の場合:2ヶ月に1回
- 蓄熱式レーザー、フラッシュ脱毛の場合:2週間に1回
この根拠も2つあり、
- ひとつは、脱毛器のパワー
パワーが弱い蓄熱式、フラッシュ脱毛は肌への負担が優しい - ひとつは、成長期に合わせる
インターバルは短い方が成長期に当たりやすい
この2つのバランスを取っての回数ですが、自分の肌に合わせてやるのが一番です。
実際は何回で効果が出るのか?
全身脱毛なら10回~
見事5回で成長期を捉えることは稀です。
なので、クリニックもサロンも倍の10回~18回が平均回数になっています。
ちなみに僕の場合、
この脱毛器でマニュアル通り「2週間に1回」を1年続けてほぼ脱毛完了しました。
参考:全身脱毛完了までにかかった期間
参考:全身脱毛完了までにかかった金額
脱毛原理と脱毛手段のまとめ図
分かりやすく全体を図にしました。
毛を再生する組織は2つ、
- 毛母細胞(毛乳頭)
- バルジ領域
それを破壊する方法は3つ、
- キセノンフラッシュ(光)による破壊
サロンや家庭用脱毛器 - レーザー(光)による破壊
医療脱毛 - ニードル(電気針)による破壊
医療脱毛
脱毛サービス、脱毛方式、脱毛間隔も含め図にするとこうなります。
すべて、メラニン(黒色素)である毛を導体にして働きかけます。
なので、毛が「後退期」「休止期」の時期に脱毛をして脱毛できません。
光脱毛の種類と特徴
-
脱毛範囲: 3㎠~
-
料金:安い
-
痛み弱い
-
効果が出るまで:最低6ヶ月以上
主なキセノンフラッシュ(光)脱毛は主に5種類です↓↓
仕組 | |
---|---|
IPL/USPL | 乳毛頭のメラニン色素(黒)に反応 |
SSC | ジェル成分(フィリニーブ)による抑毛 |
SHR (OPT/HIPL) |
低温刺激でバルジ領域に作用 |
THR | 光と赤外線でバルジ領域に作用 |
HPL | 光と音響による振動で組織に作用 |
レーザー脱毛の種類と特長
-
脱毛範囲: 3㎠~
-
料金:高い
-
痛み強い
-
効果が出るまで:最低3ヶ月以上
主なレーザー脱毛は3種類です↓↓
出典 https://ikegaki-hifuka.com/
レーザーは全て痛みがありますが、麻酔をすることも可能。
深さをコントロールできることが特長です。
アレキサンドライト | ダイオード | ヤグ | |
---|---|---|---|
波長 | 755nm | 800~910nm | 1064nm |
特徴 | 波長が短く浅い メラニン色素(黒)に良く反応 |
照射時の痛みが少ない | 深部に到達 肌を傷つけにくい |
長所 | 日本人の毛質(メラニン)との相性が良い | 毛質・肌質を問わない。アトピーOK | 色黒・日焼け肌OK 濃い・太い毛に効果 |
上記は、全て熱破壊式のレーザー脱毛。
その他、
- メディオスター 波長810/940nm
蓄熱式でバルジ領域に働きかけ痛みが少ない脱毛
色黒・日焼け肌OK
肌に優しい
産毛にも効果 - ルビー 波長/694nm
シミ・そばかすなどに効果
レーザー脱毛とフラッシュ脱毛の違いについては、「レーザー脱毛と光脱毛の違いと特徴」をご覧ください。
ニードル脱毛の特長
-
照射範囲が狭い:毛1本ずつ
-
料金:めちゃくちゃ高い
-
めちゃくちゃ痛い
-
効果:その場で脱毛完了
ニードル脱毛は、デザイン脱毛ができるのが特徴。
まゆ毛、ヒゲなどを理想の形にできます。
また、光に反応しなくなった白髪を脱毛することも可能です。
ニードル脱毛の治療費例
毛1本 | 200円 |
---|---|
VIO(女性)毛1本 | 300円 |
VIO(男性)毛1本 | 700円 |
針代 | 4,000円 |
局部麻酔 | 8,800円 |
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